【集団思考論】第37回子どもだけでの話し合い
前回、子供同士の関係をより良くしていくためには、教師と子供との関係が大切であるいうことを論じた。
しかしながら、以下で紹介するようなことが学校現場ではよくある。
知り合いの教師が母親から苦情を言われた。
「子どもが喧嘩した時やトラブルがあった時、先生が解決するのではなく、時間がかかっても子どもたちに話し合わせて解決させて欲しい」
母親が担任教師の指導に表立って苦情を言うとき、それまでの子供への接し方や指導のことで担任教師に不満を持っていることがある。
それは、母親の教師に対する誤解もあったり、行き違いもあったりする。
もちろんそれまでの教師の指導にもまずさがあったのだろう。
そのことも謙虚に振り返ってみなければならない。
それにしてもである。
「子どもたちに話し合わせて解決させること」が、子どもを大切にすることなのだという考えを持っている方は、この母親ばかりではなく、教師の間にもある。
また、それは当然のことだと考えている方が多くいる。
しかし教師が、子供の話し合いにおいて何も介入・指導せず子供たち自身の手で解決できるようになるには、集団としての成長が不可欠である。