【読書】『教えから学びヘ』
かつて生涯教育という言葉がありました。
それが生涯学習という言葉に変わりました。
「教える側」から「学ぶ側」に視点を変えるのだと、当時の校長先生から教わりました。
それが40年もの前のことでした。
「そんなものなのかな」と思っていましたが、腹落ちしませんでした。
私は教師でしたから、あくまで自分のしていることは「教育」であり、「教育者」であり続けることを目指していました。
自分のしていることは「学習」であるとは決して言うことはありません。
ですから、「生涯教育から生涯学習へ」と言われても、もう一つピンとこなかったのです。
その思いはずっと続いていました。
年末に読んだ本が、汐見稔幸著『教えから学びへ』というものです。
その中に「学びは教えよりもはるかにすそ野の広い概念です」という一説があります。
この言葉を読んで「教えから学びへ」という、これからのキーワードを自分なりに理解することができました。
「学び」とすることで「場所」「時間」「内容」「方法」は限定されなくなります。
例えば、不登校の子は限定された「学校」という場所に、限定された「教師」から教育されに行こうとするからストレスがたまるのです。
場所は自由、もしくは選択できる。時間は自由、もしくは選択できるというようになったらどうでしょうか。
つまり、学びの場は学校に限定せずいたるところで、しかもその年代ではなく心から学びたいと思った時、学びたい内容を自分なりの方法で学べるようになったら、大きく教育というものは変わるでしょう。
GIGA端末、子供が学ぶための一方法として使うということができた時、それは「学び」として使っているということになるのでしょう。